ソフトウェアのバージョン
ここでは Python に限らず、ソフトウェアのバージョン番号の書き方について書きます。
ソフトウェアのバージョンは「こうしないといけない!」という決まりは特になくて、別に最初のバージョンがいきなり 100 とかでも構わないのですけど、 だいたい多くの人が従っているルールというか、業界の習慣みたいなのがあります。
知っておかないと、いろいろと誤解したり、困ったりすることがあると思いますので、知っておいた方がいいと思います。
バージョンは(だいたい)ドット区切りで書く
通常ソフトウェアのバージョンを表す時には、ドット区切りで X.Y (X,Y は数字) という風に書きます。
時には X.Y.Z など、複数のドットで区切られることがあります。
ドットの前の X の部分がメジャーバージョン、後ろの Y がマイナーバージョンといいます。例えば Python のバージョン 3.7 といったら、 メジャーバージョンが 3 でマイナーバージョンが 7 です。
大きく変わった時は、メジャーバージョンが変わります。メジャーバージョンが変わったら、大抵マイナーバージョンは 0 になります。
あまり大きく変わってないけど、だいたい同じように動くとか、少し機能が追加された程度の場合はマイナーバージョンが更新になります。
不具合の修正 (バグフィックス) 程度では通常はマイナーバージョンも変わらず、不具合の修正まで記録したい時は通常は X.Y.Z なら Z の部分の数字を上げていくなどします。
ドットは小数点ではないことに注意!
ドットのそれぞれの区切り毎に、数字が大きい方がバージョンが「上」です。例えば 3.10 と 3.7 のどっちがバージョンが上かというと、通常は 3.10 の方が上位のバージョンになります。
もしも、3.10 や 3.7 のドットを小数点だと勘違いしてしまうと、数学的な数字的には 3.10 < 3.7 ですから、3.7 の方がバージョンが上だと思ってしまうでしょう。 しかし、通常はバージョン 3.10 はメジャーバージョン 3 のマイナーバージョン 10 と考えますので、バージョン 3.7 より上位のバージョンです。
マイナーバージョンの x はワイルドカードとみる
3.x と書いたら、メジャーバージョンは 3 で、「マイナーバージョンは問わない」という意味になります。
普通は x (エックス)、というバージョンという意味ではありません。
しかし、まあ、「バージョン x というのを作ったらいけない」という決まりがあって、それで逮捕されるわけでもなんでもありませんので、 もしかしたら、そういうバージョンをつける人もいるでしょうね。あくまでも普通はそういう意味、という程度で考えてください。
正式リリース前は α (アルファ) バージョン、β (ベータ) バージョン
開発途中でまだ正式なリリースではないけど、少しユーザーに使ってもらって、意見を聞きたいとか、そういう場合もあります。
そうしたときには、ギリシャ文字のアルファ (α) とかベータ (β) を付けて、正式版ではないことを知らせる場合があります。 通常、リリースに近い方がベータ版です。アルファ版はまだまだ完成には遠くて、あちこち動かない場合に使います。
以上、簡単にですが、ソフトウェアのバージョンについて必ず知っておいた方がいいと思う点を書きました。